関心領域

イギリス、ポーランド、アメリカ映画「関心領域」(The Zone of Intrest)を観ました。


2024年の作品。IMDb評価は7.3。戦争、ドラマ。アカデミー賞国際長編映画賞、音響賞受賞。カンヌ国際映画祭でグランプリとFIPRESCI賞受賞。アウシュビッツ収容所の隣に立つ瀟洒な庭付きの家に住む人々の様子を描いている。とっても不気味。音響賞受賞しているだけあって最初から映画で使われる音楽が心の平静を取り乱し、不安な気持ちにさせる。こんな環境には住みたくないし住めないと思わずにはいられなかった。

素敵な家に住んでいる一家。いかにも裕福。お手伝いさんがいる。庭の芝も手入れが行き届き、温室まである。庭にはプールまである。ただし家の中にいる人たちの会話や、庭に出た時の様子からどうやらアウシュビッツ収容所がすぐ近くにあることがすぐにわかる。

「ユダヤ人のワンピースが小さくてダイエットしてその素敵な服を着た」「あの家ではポーランド人の子供を養子にして殴ってるらしい」「隠していたダイヤを歯みがき粉の中から見つけたらしい」「ユダヤ人が塀の外にいる」「知っている人が塀の中にいる。家財道具が売られてたけど、カーテンが欲しかった」

お手伝いさんに好きな布を選ぶようにと大量の布が配られる。また子供の遊びは人形にライフルを持たせてる。もう一人の子供はナチスドイツ軍の制服を着ている。たくさんの金歯などを見ている子供。近所の子供たちを集めてか庭のプールでたくさんの子供たちがプールで遊んでいる時もある。子供が出かけるときは「ハイルヒットラー」と敬礼して出かける。子供たちが川遊びをしていた時、川底に何かを見つけ釣りをしていた家主が、川からすぐに上がるように子供を促し、子供の体をすぐに水で流している。

夕方タバコを吸うために外に出た家主の後ろに、焼却炉から煙が上がっている。銃声が時折聞こえる。少女が時折暗闇の中出かけて、リンゴを埋めている(この部分は白黒フィルム)。しかしそのリンゴの取り合いらしき声がして、その後すぐに銃声が響く。悲鳴と銃声。家主は転属になりそうだが、フランスの香水を使いイタリアのスパにまた連れて行って欲しいと願ってる妻(ザンドラ・ヒュラー)は、ここでの生活に満足しており「転属は辞めて欲しい、何ならヒットラーに手紙を書いて嘆願してほしい」とまで言う。妻の母が遊びに来たが朝呼びに行くと母の姿はなかった。家主はユダヤ人をオフィスに呼んで事を済ましている。家主のみ単身赴任して、またアウシュビッツに戻って来る。

現代のどうやらアウシュビッツの記念館を掃除をする様子が映し出される。大きなガラスの中の展示は大量の靴、靴、靴。別の展示は松葉づえや車いすのような山もある。かつて軍の施設であったところが記念館になっている模様(完)

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隣では日常的に銃で人が殺され、ガス室に人が送り込まれ人が殺され煙突から黒い煙を出しているのに、それを何とも思わず感覚が麻痺して生活している。嫌悪感、不快感の何物でもなかった。音楽がまた不穏で不気味。精神的におかしくなりそうな音だった。アウシュビッツのむごたらしさが一部しか覗けないのに、逆に迫ってくるよう。2年間世界旅行するときに、大まかな計画を立てたけれど、どうしてもポーランドにあるアウシュビッツに行こうと思えなかったのは、やはり重すぎたから。この映画で少しそのアウシュビッツの記念館らしきものが映っただけでも、私はやはり今も絶対に行きたくない場所なのだなと思いました。全く心地よくなく嫌な気分になるけれど観るべき映画。naonaoお勧め度★★★★★

おまけ:この映画のトレーラー

この記事へのコメント

  • naonao

    >たいちさん、ぼんさん
    niceありがとうございます。
    2026年02月14日 20:35
  • ぼん

    ナイスです!
    2026年02月12日 14:15
  • たいち

    niceです。
    2026年02月11日 22:50